私はクリーニング店で受付業務をしています。
ユニクロを始め、縫い目がないダウンが流行していますね。
ひとシーズン着てクリーニングに出そうと持ち込まれますが、私が勤務しているお店では引受をお断りしています。
お断りしている理由と、シームレスダウンをキレイにする方法をご紹介します。
シームレスダウンがクリーニング出来ない理由
従来のダウンは、羽毛を入れる部屋を糸で縫って縫製されています。
しかし、シームレスダウンは糸で縫わず接着剤で圧着して作られています。
この、従来は必ずあった縫い目がないというデザイン性がうけて、多くの方が購入されたと思います。
この、圧着に多く使用されているのがポリウレタンです。
ポリウレタンを使っている衣服は、シームレスダウンに限らず、経年劣化で寿命は約3年となっています。
当クリーニング店では、ポリウレタンをポケット口(ぐち)や襟(えり)などの一部でも使われている衣服については、お客様にご了解事項として説明しています。
お客様にご了解いただいている項目は以下のとおりです。
・ポリウレタン製品は製品が完成した時から経年劣化が始まり、寿命は約3年となっていること。
・クリーニングすることで、風合いの変化やはがれ、やぶれ、ベタつきなどが生じることがあること。
・上のような状態になっても当店では一切責任が負えないということ。
上記のことをご了解いただいて、受け付けるようになっています。
当初、シームレスダウンも上記のことを踏まえて、圧着部分がはがれてしまうことがあるということをご了解いただいて、受け付けていました。
しかし、そのすぐあとにシームレスダウンを一切受付ないように本社から指示されたんです。
理由は、写真とともに各店へ送られてきました。
写真は、圧着部分が一部はがれて部屋がつながっているものでした。
やはり、実際にはがれてしまう事例が出ているので、受け付けられないということでした。
いくらお客様には、ご了解いただいてるとはいえ、「やっぱりダメでした。」というわけには行きませんからね^^;
すでに受付してお預かりしているけど、まだ洗ってないものについては事情を説明して洗わずお返しさせていただきました。
シームレスダウンを自宅でキレイにする方法
では、シームレスダウンの汚れはどうしたらよいのでしょうか?
簡単に自宅で出来る方法をご紹介します。
ダウンコートの汚れやすい場所と言えば、襟の内側、袖口です。
これらの軽い皮脂汚れなら、拭き取るだけでもかなりキレイになりますよ。
ぬるま湯に中性洗剤(食器洗い洗剤)を溶かした液を、タオルを浸して軽く絞ります。
洗剤水の濃さは、洗剤を入れて軽く混ぜた時に泡立たない位にしてください。
タオルで汚れた場所を縦と横方向に拭いてください。
拭き終わったら、違うタオルをぬるま湯に浸して軽く絞り、再度拭いていきます。
洗剤が残らないようにしてくださいね。
拭き終わったら、風通しの良い日陰で中まで乾けばOKです。
ひどい汚れは完全には取れませんが、ひとシーズンの軽い汚れでしたらキレイになりますよ。
シームレスダウンはウエットクリーニングなら出来る?
クリーニング店によりますが、ドライクリーニングではなくウエットクリーニング(水洗い)なら受け付けてくれるところがあるようです。
関連記事:ドライクリーニングとウェットクリーニングの違いは?
おそらく、各店でシームレスダウンの取り扱いは徹底されていると思いますので、一度お近くのクリーニング店に洗えるかどうか問い合わせてみてくださいね。
さいごに
シームレスダウンのクリーニングの取り扱いは、クリーニング店で異なります。
クリーニングで 100%圧着部分が剥がれてしまうわけではありませんが、やはりクリーニング店でもリスクが高いものについては扱いたくないというのが本音ではないでしょうか。
クリーニング店に相談して、ウエットクリーニングでタンブラー乾燥をしないでもらえば個人的には洗えると思うのですが・・・